マーケティング 最終更新日: K.Matsuura

中小企業のブランディング!デザインのトーン&マナーが重要!

トーン&マナーとは…

トーン&マナーとは簡単にいうと、デザインの方向性を決めて自社のイメージの一貫性・統一感を保つための手法やルールということになります。広告業界では略して「トンマナ」と呼んでいます。トーン=デザインイメージの一貫性・統一性。マナー=デザインイメージを作成する際の一貫性・統一性のルール・基準ということになります。

「トンマナが崩れる」などと業界では良くいう言葉ですが、これは一言で例えると、青年マンガの週刊誌を読んでいる時に、いきなり少女マンガが掲載されている感覚です。

簡単に言うとトーン&マナーを駆使することで築き上げてきたブランドイメージで、その会社や商品・サービスが“らしく見える”と言うことです。
例えば

  • Appleらしく見える
  • 無印らしく見える
  • ユニクロらしく見える
  • ヴィレッジヴァンガードらしく見える
  • 大阪らしく見える

などです。
上記のいずれもトーン&マナーを駆使してデザイン戦略によって商品やサービスのブランド力を上げてきた企業や団体・地域です。

ブランド要素とは…

ブランドの要素を考えてみると、大前提としての技術力と商品力。そして、それらをターゲットに訴求するためのネーミングやロゴ、色、キャッチコピー、パッケージなどの要素が上げられます。

なぜトーン&マナーが重要なのか?

中小企業の場合、CMやマス媒体を使った広告宣伝や販売促進ができません。

ほとんどの中小企業が行っている販売促進は、カタログやパンフレット・会社案内・名刺などの紙媒体やホームページを使った広告宣伝になります。
つまり、ほとんどのケースが手元に残るツールを活かしながら視覚的に情報を繰り返し発信することでターゲットの感情に訴えかけることになります。

このようなツールのデザインの方向性がバラバラになると会社のポジショニングや価値観が曖昧になってぼやけてしまします。

デザインを資産と考え、マーケティングと融合させながらコンバージョンを高めてブランディングを構築していくことがブランド価値を高めることになります。

トーン&マナーで成果を上げるには…

ブランディングを構築するためのトーン&マナー。ただ単にトーン&マナーを決めても、ターゲットから見れば、薄っぺらなものにしか感じなく、以下のように意図や背景などの整合性が必要になってきます。

根拠となるアイデンティティが必要。

トーン&マナーは、ブランディングにおけるデザインの表現をルール化したようなものです。
販促物のブランディング・デザインは、意味・理由付けの根拠となるとともに、お客様に対する想いや従業員・会社のアイデンティティをデザインで差別化をし、可視化する事で整合性が図られます。

自社のポジショニングを確認しよう!

差別化を図り、ブランディングをするには、自社のポジショニングを明確にする必要があります。
老舗の企業と新規参入、1番手と3番手。価格重視か品質重視など自社の現状のポジショニングがどこにあるのかで、とるべきデザイン戦略の方向性が全く異なります。

2番手以下の追う立場の会社と業界トップの会社ではそもそもするべきことが異なり、弱者の方が守るものが少なくなるため、自由度が効く戦略をとれる傾向にあります。

ブランド価値は価格訴求でも構築できる!!

ブランド価値というと、価格が高くなくてはダメと思いがちですが、そうではありません。
現状の自社のポジションを把握して価格勝負に依存している会社でも価値を高めることはできます。

一言でいうとユニクロなどがその良い例です。
要するに価格は安いけれど、品質は価格以上の価値があるのならば、そのアドバンテージを存分に訴求して費用対効果の良さをブランド力に変えれば良いのです。

トーン&マナーを使うことによって伝えたい事をデザインで可視化させてブランド力の向上を図ります。

ターゲットを選定する!

ポジショニングを把握したうえで、ターゲットを選定してデザイン戦略を構築します。
ターゲットを選定する際に重要なことは、現在のポジショニングよりも少し上のクラスアップした層を狙うことです。ターゲットのライフスタイルや趣味趣向・感覚を想像して、自社のストロングポイントや想いをデザインで表現してターゲットの心の琴線に触れて、共感を呼ぶデザインを目指します。

トーン&マナーのデザイン実践編

トーン&マナーの実践する際の3つのポイント!

トーン&マナーでブランディングをする際に基本となるポイントを3つ上げます。

  • メイン書体:広告・販促物のメインになるフォント(書体)を決める
  • メインビジュアル:メインとなるイメージ写真やキャラクターを考える
  • メインカラー:メインとなるカラー、または配色パターンを決定

あるパンフレットでは【このフォントでこの色】、別のパンフレットでは「あのフォントであの色」などと発注者によってバラバラなデザインをすると、ブランドのアイデンティティは分断されてしまいます。まずはこれらの要素を全社的に共有すること始まりの一歩と言えます。
これらを決める際には、自社のポジショニングとターゲット層からおのずと選択肢は絞られてきます。

トーン&マナーを整えて繰り返しターゲットに発信することによって、少しずつブランド価値を高めて信頼と安心感を醸成して新規顧客の獲得から、すでにお付き合いのある会社にとってはリピート回数の向上を図ることができます。トーン&マナーが整ったデザインは資産であると同時に未来への投資でもあります。商品やサービスを発信するデザインは会社の顔となる部分です。デザインのイメージから消費者は商品やサービスを理解します。間違ったデザインで訴求すると間違った認識で商品やサービスを理解するばかりでなく、会社全体の信頼やイメージを損なうことに繋がりますので気をつけなければいけません。

社内に向けた力にもなる

トーン&マナーを揃えることによって社内に向けた発信にもなります。
全社員が共通のマインド持て、また自社の商品に対する愛着や営業説明する際のトークにも一貫性がうまれ、良いスパイラルが発生します。ぜひトライしてみて下さい。